婚約とは、どちらか一方からのプロポーズによって成立し、指輪の贈呈や結納によって確立されるものです。
しかし、婚約そのものは何の法的根拠も効力も持たず、これと言った様式や仕来りも存在しません。
ただし、気をつけないと、婚約指輪や結納を交わしていれば、それが物的証拠となって、損害賠償や慰謝料を請求される事もあるそうですよ。
ここでは、婚約の必要性、婚約期間、婚約破棄について解説していきます。
婚約は絶対に必要なの?
婚約というのは、男女が将来における結婚の約束をすることですが、必ず必要というわけではありません。
ただし、婚約そのものは何の法的根拠も効力も持たず、これと言った様式や仕来りも存在しません。
いわゆる特定の法的手続きを指すものが婚約ではないので、発表の形態や方法も人によって様々です。
いろいろなスタイルが存在するのが婚約であり、その証として指輪を交換することが多いのですが、必要不可欠なものではありません。
一般的に婚約指輪は、男女とも左手の薬指につけるのが通例で、男性が払う着手金のような意味合いがあります。
ダイヤモンドのような高価な宝石の指輪にすることが多く、婚約指輪は、男性の月給三ヶ月分と言われています。
しかし、婚約指輪の月給三ヶ月分という数字には根拠はなく、これは業者の売り文句にすぎません。
ダイヤモンドは永遠の輝きというキャッチフレーズと共に、婚約指輪は給料の2ヶ月分という宣伝キャンペーンでアメリカが大成功したのが元になっています。
婚約指輪に関しては、アメリカの宣伝がそのまま日本に渡ってきて、給料の三ヶ月分として定着したのです。
すなわち、婚約指輪はこの金額にしないといけないという根拠はなく、特に必要ないと考えてもいいのです。
婚約期間は一般的にどのくらい?
婚約期間というのは、どれくらいが妥当かというのは、巷の関心事としてよく取り上げられます。
一般的に婚約期間は、半年~1年くらいだというのが多くの意見ですが、期間というのは、それぞれの事情があるのでこだわる必要はありません。
婚約期間というのは、結婚式の準備や資金を貯める期間も含まれるので、どのくらいの期間でも特に問題はありません。
プロポーズをすると、相手方の両親と自分の両親の顔合わせなども必要で、婚約期間は、やることがいっぱいです。
結婚の準備のための期間が、婚約期間になるので、あまり短すぎては準備が追いつかないことになります。
しかし、婚約期間があまりにも長すぎても、緊張感が希薄になって、よい影響を与えないかもしれません。
交際をすでに重ねているので、婚約期間というのは短くても良いのですが、それでも結婚の準備には半年くらいは必要でしょう。
婚約を破棄したら民事の対象?
婚約破棄の理由として、最も多いのが心変わり、ようするに、別に好きな人が出来たというものですね。
これは男女を問わず発生する可能性の決して低くない現象で、今はラブラブ、幸せいっぱいの人も、明日は我が身かも知れませんよ。
しかし、驚くべき事に、意外と多い婚約破棄の理由に、親が反対しているからというのがあるんですね。
実際には結婚は当事者同士の問題ですから、親は関係ないはずなのですが、やはり家族や親戚とは深い結びつきが出来るだけに、これも無理ない理由なのかもとは思われます。
ただし、気をつけないと、本当は自分自身が嫌気や不安に駆られたからという事も少なくないのです。
婚約破棄には特別な理由など一切必要ありませんし、いつ実践しても個人の自由です。
これは婚約自体が法的根拠や効力を一切持たないのですから仕方のないことでしょう。
が、しかし、正当な事由のない婚約破棄については、民事の対象となる事も多いですので、くれぐれも気をつけましょう。
因みに、別に好きな人が出来たからとか、親が反対しているからというのは、相手には一切非のない個人的な理由です。
従って、婚約破棄で訴えられれば、慰謝料を支払わなければならない可能性も低くありませんし、損害賠償が発生する事もあります。
特に、エンゲージリングや結納を交わした後の婚約破棄には物的証拠が添えられますから厄介でしょう。
ただ、男性側が被害者の場合には、こうした費用を全て女性側に損害賠償として請求出来るので、まんざら悪い話ばかりでもないのです。
とは言え、逆なら大変、これらも分捕られた上で、さらに婚約破棄の慰謝料請求と、超お高くつくので、新たな恋や結婚どころじゃなくなっちゃいそうですね。
まとめ
婚約破棄は本来、なるべく人目に付かないように穏便に済ませたいところではあります。
けれど、昨今は芸能人が訴えるだのなんだのと騒ぎ、それをマスコミが面白半分に取り上げますからね。
一般人もすぐに婚約破棄で裁判だとかと言って事を荒立てる傾向が強いのは否めないでしょう。
ただ、冷静に考えれば、別れはどちらにも非がある事も少なくなく、最終的には無駄な時間と労力を使うだけという結果に終わる事もしばしばです。
それならいっそ、婚約破棄を新たな人生のステップアップに出来るような捉え方をする方が賢いかも知れません。
まあ悔しい気持ちや悲しい気持ち、これからの不安というのはよく分かりますけどね。