高梨沙羅が金メダル獲得を狙う平昌オリンピック(ピョンチャンオリンピック)女子ジャンプがいよいよ2月12日に開催されます。
今シーズンのワールドカップではまだ優勝がない高梨沙羅ですが公式練習ではかなり状態が上向いてきました。
ここでは、平昌オリンピック女子ジャンプの日程、見どころ、速報、結果について紹介していきます。
平昌オリンピック女子ジャンプの日程は?
平昌オリンピック女子ジャンプはノーマルヒル1種目のみで、男子のようにラージヒル、団体戦はありません。
2018.02.12 オリンピック 平昌郡 (韓国) HS109/K98
HS:ヒルサイズ~ジャンプ台の大きさ。これ以上飛んだら危険というライン。
K:K点。一流選手であれば飛べるレベルの標準ライン。
平昌オリンピック女子ジャンプの見どころは?
韓国の平昌のジャンプ台はAlpensia Jumping Park、ヒルサイズ109m、K点98mのノーマルヒルの大会となります。
今シーズンのワールドカップの総合ランキングは次の通りです。
第1位 940P マーレン・ルンビ(ノルウェー)
第2位 640P カタリナ・アルトハウス(ドイツ)
第3位 580P 高梨沙羅(日本)
第4位 475P 伊藤有希(日本)
第5位 417P イリーナ・アブバクモワ(ロシア)
第6位 338P カリーナ・フォークト(ドイツ)
第7位 326P キアラ・ヘルツル(オーストリア)
第8位 257P ウルサ・ボガタイ(スロベニア)
第9位 239P エマ・クリネツ(スロベニア)
第10位 234P ニカ・クリズナー(スロベニア)
第11位 225P ユリアーネ・ザイファルト(ドイツ)
第12位 177P 勢藤優花(日本)
第13位 169P 岩渕香里(日本)
※リュブノ大会終了時点(2018.1.28)
マーレン・ルンビ(ノルウェー)の圧倒的な強さの前に、昨シーズンの総合1位で女王の高梨沙羅、総合2位の伊藤有希はまだ優勝がありません。
シーズン直前の合宿先が悪天候で雪不足、思うような練習が出来なかったことから、アプローチの姿勢が固まらず、スピードが上がらないため、強い踏み切りが出来ない状況が続きました。
そのアプローチのスピードも改善されつつあり、踏み切りのタイミングも掴めるようになったことから、平昌の公式練習ではマーレン・ルンビに肉薄するまで調子が上向いてきました。
2月11日に行われた最後の公式練習で高梨沙羅は
マーレン・ルンビ(ノルウェー):103.0m(22番ゲート)、111.0m(23番ゲート、転倒)
カタリナ・アルトハウス(ドイツ):103.5m(23番ゲート)、102.0m(23番ゲート)、104.0m(21番ゲート)
高梨沙羅:103.5m(23番ゲート)、105.5m(23番ゲート)
伊藤有希:102.5m(23番ゲート)、101.0m(23番ゲート)、93.0m(21番ゲート)
イリーナ・アブバクモワ(ロシア):95.0m(23番ゲート)、95.0m(23番ゲート)、97.5m(21番ゲート)
カリーナ・フォークト(ドイツ):103.0m(23番ゲート)、109.0m(23番ゲート)
ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ(オーストリア):97.5m(23番ゲート)、103.5m(21番ゲート)
と、少なくても2番手に付けるようになりました。
金メダル候補の1番手は、やはりマーレン・ルンビ(ノルウェー)です。
飛行曲線は高くないのですが、最後の低空飛行ではまるで男子選手のように距離を伸ばします。
2番手争いは、高梨沙羅、伊藤有希、カタリナ・アルトハウス(ドイツ)、怪我から復帰したダニエラ・イラシュコ=シュトルツ(オーストリア)、大舞台に強いソチの金メダリストのカリーナ・フォークト(ドイツ)です。
不気味なのが大ジャンプを披露するようになってきた17歳のニカ・クリズナー(スロベニア)。
最後の公式練習でも2本目、110.0m(23番ゲート)の最長不倒でした。
何が起きるか分からないのがスキージャンプの醍醐味、厳寒の中、目まぐるしく変わる強風を味方に付け、高梨沙羅選手は金メダルを獲得することができるでしょうか?
平昌オリンピック ジャンプ女子 ノーマルヒル個人戦 2018.2.12 結果速報
【トライアル】
2月12日(月)20時35分~ ※日本時間
25番ゲートからスタート。
サラ・ヘンドリクソン(アメリカ)は91.0.m、32.6P。
16歳の実力者、ルシール・モラ(フランス)は95.0m、37.4P。
アナスタシア・バランニコバ(ロシア)が100.0m、46.7P。
22番ゲートに変更。
ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ(オーストリア)が101.0m、64.3P。
ジャクリーン・ザイフリーツベルガー(オーストリア)が100.5m、58.4P。
岩渕香里は86.0m、34.3P。
勢藤優花は80.5m、23.3P。
伊藤有希は100.0m、61.9P。
高梨沙羅は104.5m、69.2P。
カタリナ・アルトハウス(ドイツ)が105.5m、75.3P。
21番ゲートに変更。
マーレン・ルンビ(ノルウェー)は103.0m、72.7P。
【1本目】
2月12日(月)21時50分~ ※日本時間
【2本目】
2月12日(月)22時35分~ ※日本時間
高梨沙羅が銅メダル♪
金メダル:264.6P マーレン・ルンビ(ノルウェー)105.5m/110.0m
銀メダル:252.6P カタリナ・アルトハウス(ドイツ)106.5m/106.0m
銅メダル:243.8P 高梨沙羅(日本)103.5m/103.5m
第4位:230.7P イリーナ・アブバクモワ(ロシア)99.0m/102.0m
第5位:227.9P カリーナ・フォークト(ドイツ)97.0m/101.5m
第6位:225.9P ダニエラ・イラシュコ=シュトルツ(オーストリア)101.5m/99.0m
第7位:223.2P ニカ・クリズナー(スロベニア)101.0m/104.0m
第8位:210.5P ラモナ・ストラウブ(ドイツ)98.5m/98.5m
第9位:214.2P 伊藤有希(日本)94.0m/93.0m
第12位:188.3P 岩渕香里(日本)93.5m/89.0m
第17位:172.0P 勢藤優花(日本)93.0m/89.0m
まとめ
高梨沙羅選手は2本とも完璧なジャンプ!
この1年間ではあまり見られなかった、飛型も安定感も抜群な高梨沙羅選手本来のジャンプ、テレマークも入り、なんと韓国の審判員が飛型点19.0を付けました。
惜しむらくは、風のいたずら。
2本目、高梨沙羅は25番ゲートから飛びましたが、無風状態といってもよいくらいのわずかな向かい風 0.25m/s。
その後に向かい風が強くなり、カタリナ・アルトハウスの時はゲートを2段下げたものの 1.13m/sの強い向かい風。
マーレン・ルンビの時にはさらにゲートを1段下げたたものの 1.38m/sの強い向かい風。
いくらゲートを下げ、ウインドファクターの減点があっても、強い向かい風なら、トップ選手であればそれらをカバーしても余りあるビッグジャンプが生まれやすいもの。
向かい風が得意なマーレン・ルンビ、追い風でも影響を最小限に抑える技術を持った高梨沙羅。
これが逆だったら、結果は違うものとなっていたかもしれません。、
気の毒だったのは、伊藤有希選手。
ジャンプは完璧に近かったのに2本とも追い風でした。
とはいっても、ジャンプでは不思議と強い選手に有利な風が吹くものなので、致し方がありません。
不公平を無くすためのゲートファクター、ウインドファクター、まだまだ課題がありますが、強い向い風を察知してゲートの上げ下げを細目に断行した運営陣の判断は見事だったと思います。