調理師免許を持っていないと料理人になれないのは誤解です。
一般の人の過半数は、調理場で働いている料理人全員が調理師免許を持っていると勘違いしています。
確かに、腕のいいコックさんとなると調理師免許を絶対持っているようなイメージがありますよね。
今回は、調理師免許の受験資格、取り方、試験問題について詳しく解説していきます。
調理師免許の受験資格とは?
調理師免許試験をこれから受けようとしている方は、自分が受験資格に該当しているかを事前に確認する必要があります。
調理師免許試験の受験資格は、一般的にあまり知られていないと思いますが、なかなか厳しいものです。
調理師免許試験の受験資格は、二年間以上の調理実務経験が必要になってきます。
調理実務経験とは、飲食店などでのアルバイトや旅館などで働いていた経験の事を指します。
ちなみに、調理師免許試験は全て筆記試験なので、実技はありません。
だから二年間以上の調理実務経験年数が必要なのかもしれませんが、まずは二年間飲食店でがんばって働いてみましょう。
そして、調理業務従事証明書をもらい、ようやく調理師免許試験を受験できるのです。
調理師免許の取り方は?
調理師免許を取るにはまず、二つの方法があります。
一つは、調理の専門学校に通って卒業する事です。
学校を卒業すると同時に、調理師免許を申請する事で取得する事ができます。
この方法は主に高校生が選び、専門学校などに進学して最終的に資格を取得するというものです。
もちろん、フリーターの方などでもこの方法で調理師免許を取得できますが、正直な話、主婦やバイトをしているフリーターには時間的に厳しいものがあると思います。
家事をこなさなければいけない主婦、バイトをしなければ生活をしていけないフリーター、様々な状況の方がいらっしゃるでしょう。
そういった方にオススメなもう一つの調理師免許を取得する方法が、国家試験に合格する事なのです。
受験資格という物はこの調理師免許国家資格の受験資格を指します。
この試験に合格する事で専門学校に通わなくても調理師免許を取得する事ができます。
ちなみに、専門学校を卒業した人は無試験で調理師免許を取得できます。
なので、この二つの方法のうち自分に合った方法で調理師免許を取得する事をオススメします。
調理師免許の受験ではどんな問題が?
普段私たちが生活する上で、あまり知られていないような内容も調理師免許試験では出題されます。
例えば、食品の衛生面に関する問題だったり、食品の文化だったり、調理師免許試験で出題される内容は様々なのです。
では、調理師免許試験の問題内容と、出題傾向を確認していきましょう。
調理師免許試験で出題される科目は七科目あり、調理師免許の試験内容は食文化概論、衛生法規、公衆衛生学、 栄養学、食品学、食品衛生学、調理理論の計六十題です。
ちなみに調理師免許試験の問題は四肢択一解答方式になっているので、出題形式としては楽な方でしょう。
調理師免許試験の科目である食文化概論とは、文字通り食品の文化に関してなのですが、日本のみならず各国の食文化についても出題されます。
例えばインドといったら代表的なのは、カレーとかナンといったところでしょうか。
調理師免許試験においての出題割合は全体の約5%といった感じです。
次に衛生法規で、国民の健康維持や向上のために守らなければならない法律です。
調理師免許試験では実際には調理に関係ない問題も出題されますが、こういった事は食べ物を扱う側にとって重要なので覚える必要があります。
調理師免許試験での出題割合は食文化概論と同じく、約5%です。
公衆衛生学は、感染症や生活習慣病についての予防知識です。
調理師免許試験では15%と割と出題されやすく、メタボリックシンドロームなどで騒がれている今、こういった知識が調理師には必要になってきます。
栄養学は、人体に必要な栄養素についての知識や働きについての科目です。
現代人に不足されがちなミネラルなど、健康な体を維持するのに必要な栄養素も調理師免許試験では出題されます。
ちなみに調理師免許試験での出題割合は全体の15%です。
食品学は、食品の種類や分類、その食品の成分についての科目で、調理師免許試験では難しい科目です。
例えば、みかんは果物であり、ビタミンCが豊富に含まれている、といった具合です。
調理師免許試験での出題割合は、約10%です。
食品衛生学は、食中毒に関する知識や予防法、食品の安全性を保つための知識が問われる問題です。
食の安全が問題になっている今、もちろん調理師免許試験にも出題されます。
出題割合は全体の20%となっています。
最後に調理師免許試験で一番出題される調理理論なのですが、調理の技術や知識、調理器具、献立作成などを問われます。
出題割合は30%と高く、この科目が基本となります。
これらが調理師免許試験の七科目となっています。
まとめ
調理師免許試験の合格率が毎年高い割合を維持している県もあれば、毎年低い県もあります。
つまり、自分の都道府県の合格率を知っておけば有利になります。
調理師免許試験は全国で開催されるので、自分の県が低い合格率なら、合格率が高い県に行って受験すればいいのです。
合格率が高い県というのはすなわち、調理師免許試験内容が他と比べ、簡単な可能性が高いからです。
なので、調理師免許試験の都道府県毎の合格率を知っておくと受験に有利ですよ。