小児喘息の症状として、多くの方が思い浮かべられるのが、ゼーゼーハーハーの激しい息づかいと止まる事のない咳ではないかと思います。
その症状が悪化すれば、大発作となり、命の危機にさらされますから、小児喘息はできるだけ初期症状を察知して適切な対応を取る事が絶対です。
では、小児喘息の初期症状を察知するにはどうしたらよいのでしょうか?
ここでは、小児喘息の初期症状、原因、治療薬について解説していきます。
小児喘息の初期症状とは?
小児喘息には激しい呼吸困難や咳き込みが出る初期症状の前の前兆的症状というのがよく見られます。
それは、子供の目が妙に赤いとか、涙っぽいとか、鼻水が出ていると言った半ば花粉症のような症状です。
勿論、小児喘息持ちではないお子さんにそういう症状が見られた場合は、正真正銘の花粉症だったり、風邪の引き始めだったりする事もしばしばでしょう。
最近は花粉症も低年齢化が進み、保育園や幼稚園に通う子供たちの間にも症状を訴える子が増えていると言われていますからね。
ただ、気をつけないと、実際には花粉症ではなく、小児喘息の初期症状であるという可能性もなくはないと思われます。
しかも、その後、程なく本格的に咳などが出だし、風邪薬や咳止めを飲んでも症状が軽減しないようであれば要注意です。
特に小児喘息は、その大半が就学までに発症すると言われていますから、一度きちんと検査を受けられる事をお勧めしたいですね。
小児喘息は早ければ2歳までの乳児から発症するのですが、赤ちゃんの間は、正直、明確に症状が出ない事も珍しくないんです。
例えば、夜中にぐずって泣き叫び、中々寝てくれないとか、ミルクを履いて咳き込むなんていう事は、育児においてはごくごく一般的な現象でしょう。
ですから、それがまさか小児喘息の初期症状だなんて、思いつきもしないですよね。
実際には、その可能性も決して低くはありませんので、月に2度3度具合が悪くなるというような場合も、やはり一度しっかり検査してもらうといいと思います。
小児喘息は、その症状がさらに病状を悪化させるというのが特徴の病気ですから、早期発見による早期対処が何より大切です。
そして、そのためには、風邪などと決めつけ安い初期症状を見逃さない事が重要です。
小児喘息の原因は遺伝以外にも?
小児喘息は、両親に喘息がある場合に遺伝する確率が高い疾患だと言われていますよね。
実際、片親に喘息がある場合は40-50%、両方の親に喘息がある場合にはなんと80%の確率で子供は小児喘息を発症すると言われているんです。
もし、祖父母に喘息の人がいればさらに小児喘息の発症率は高くなるんだそうです。
小児喘息はこのように、遺伝が大きく関係している疾患ですが、両親ともに喘息を持っていなくてももちろん発症することがあります。
両親または片親が喘息を持っている場合には3-5倍、その子供が小児喘息を発症しやすいというだけなので、遺伝以外が原因で発症する場合もあるんです。
また、小児喘息はアレルギー体質と密接な関わります。
そのため、親が花粉症やアトピーを持っている場合にも、その子が小児喘息発症する確率は高くなります。
小児喘息は、喘息や他のアレルギー体質の遺伝子があるところに、ある要因が加わって引き起こされます。
この小児喘息を引き起こす要因になるものはアレルゲンと呼ばれています。
アレルゲンには空気中のホコリや花粉をはじめ、ダニ、カビ、ペットの毛や糞などの吸引アレルゲンの他、ソバや卵、牛乳、小麦などの食物アレルゲンもあります。
小児喘息はこれら全てに反応するわけではなく、人によって起因になるものが異なります。
卵は大丈夫だけどソバで小児喘息の発作が起きる、動物でも猫は大丈夫だけど犬の毛で発作が起きる、といった具合です。
このように、アレルゲンが原因で起こる小児ぜんそくをアレルギー型といいます。
アレルギー型の小児喘息の場合、一体どのアレルゲンが悪さをしているのか突き止めることが発作を避けるために重要になってくるんですね。
小児喘息には、非アレルギー型と呼ばれるアレルゲン以外が原因で発症するものもあります。
この種の小児喘息を引き起こす原因となるのは、香水やタバコの煙、それから季節の変わり目、それからストレスなどが挙げられます。
小児喘息は治療薬だけで治るの?
小児喘息の治療薬には、発作が出た時に取り敢えずそれを抑えるために使う発作治療薬と、毎日定期的に服用する長期管理治療薬とがあります。
実はこの長期管理治療薬、特に症状の軽い場合、なるべく使用しない方向で考えられる事もしばしばです。
小児喘息の原因はホコリなどのアレルギー物質である事が多いので、それらを出来る限り除去する事で、治療薬を使わない改善を心見られる方も大勢いらっしゃいます。
けれど、その一方で、特に気道が敏感になっていて、ちょっとしたホコリなどを吸っても粘膜が炎症を起こすのが小児喘息です。
ですから、やはりこの気道の敏感な状態を治して上げる事も大切なのではないでしょうか。
そして、その一環として用いられるのが小児喘息のいくつかの治療薬です。
現在我が国では、比較的副作用が少なく、服用も容易な吸入ステロイド薬という治療薬が最も多く使用されています。
後、小児喘息の根本的な要因である気管狭窄を改善する気管拡張剤もしばしば処方されていますね。
小児喘息の治療薬として、現在最も多く使用されている吸入ステロイド薬は、気道粘膜の炎症を抑える作用を持った薬です。
つまり、常日頃からきちんと服用する事で、徐々に気道の細胞が健康な状態に形成されて行きます。
小児喘息の多くは、小学校入学頃には症状が落ち着いてくるようです。
小児喘息が成長とともに治りやすい疾患だとしても、そのまま何もせずに放っておいたのでは良くなるどころか悪化してしまいます。
子供の小児喘息が完治した家庭では、医師に指示された薬の投与は欠かさず、生活環境の整備も全力で行ったという人がほとんどです。
まとめ
完治した家庭では小児喘息に一番多く見られるアレルゲンであるダニやハウスダスト対策はしっかりと行っています。
もちろん、小児喘息の発作を引き起こしやすくなる風邪やインフルエンザ対策も注意して行っていたようです。
季節の変わり目対策としては、冬場の乾燥する時期には加湿器を取り付けたり、温度差にはエアコンのタイマーを活用したという人もいます。
いずれにしても、小児喘息を完治するためには、その家族の努力は欠かせません。